form_close

記事購読のお申し込み記事購読の
お申し込み

今年2016年より、ポリコム社など主要テレビ会議端末メーカのサポートが順次終了することが予定されており、それにあわせてシステムの入れ替え(リプレース)や台数増などの拡張ニーズがユーザの間で増えてくると予想されている。 

 

そういった中、新たなビジネス機会と捉えた多数のメーカから廉価なテレビ会議端末が最近発売されているが、入れ替ニーズに対応できる製品は多くはないようだ。付随するサービスやサポートも含め相互接続性(異なった製品間での接続)や品質(音声・映像など)面からユーザの要望に十分に応えられていないからだ。しかし、その中で昨年10月に発売されたブイキューブの会議室設置型テレビ会議端末V-CUBE Boxはユーザ企業からの評価が高い。

 

そこで今回は、遠隔会議市場を十数年以上専門にワッチしているCNAレポート・ジャパンの橋本啓介が、テレビ会議端末市場で普及しているポリコム製HDXシリーズ端末(今回の検証ではHDX8000を使用)とブイキューブのV-CUBE Boxとの相互接続性や品質の面について問題なく使えるかを検証した。本レポートは、既存のテレビ会議端末環境に、V-CUBE Boxを追加もしくは入れ替えが可能なのか、検討している企業担当者に参考にしていただきたい。

 

DSC_5576_1.jpg

これから検証作業に入る筆者

会議室設置型テレビ会議システムV-CUBE Boxとは

V-CUBE Boxは、株式会社ブイキューブが販売する会議室設置型テレビ会議システムである。従来の製品に比べ最大1/3のコスト(※ブイキューブ調べ)で導入でき、小会議室から大会議室までさまざまな会議室での使用を想定したフルHD(1080p)対応する。コンパクトな本体に、カメラ・ディスプレイ・マイクスピーカ・ネットワークをケーブルで簡単に接続するだけで10分もかからずにテレビ会議ready状態にすることができる。

 

テレビ会議を行う際には、シンプルなリモコン操作で、「会議開始方法の選択」と「会議室の選択」を選ぶ2ステップで「V-CUBE Box会議室」(※V-CUBE Box本体と区別)に入れる簡単さだ。加えて、V-CUBE Oneとの契約で、他社製テレビ会議端末との相互接続(※今回の検証目的)のほか、PCやスマートフォン/タブレットとの接続、MCU(Multipoint Control Unitの略:多地点接続装置)なしで最大100拠点以上の多地点会議、ブイキューブの“独自のネットワークサービス”「Global Link」による国際間で安定したテレビ会議接続、といった利便性を高める各種サービスも利用できるようになっている。

 

近年、PCやスマートフォン/タブレットなどに対応したソフトウェアベースの遠隔会議製品が多数登場し、同市場では会議室設置型テレビ会議端末へのニーズは今後終息の方向へ向かうのではないかとの見方もあったが、実際のところは、PCやスマートフォン/タブレットで外出先からテレビ会議に入る使い方が増えているものの、社内の会議室で活用しているユーザは依然多く、それを裏付けるように、端末市場における主要メーカへの購入ニーズに加えて、多数の新規参入を見る限り、まだまだ会議室設置型への需要は健在といえよう。

 

だが、2016年以降始まるサポート終了に伴いリプレース需要が増えると期待されているものの、テレビ会議端末製品の入れ替えに十分応えられる、新規参入企業の端末製品は多くはない。付随するサービスやサポートも含め相互接続性や品質面からユーザの要望に十分に応えられていないからだ。その上、ユーザにとって、これまで長年使ってきたテレビ会議端末を他社製に入れ替えるほど不安なことはない。慣れた操作感に加え端末間の接続性とその品質如何は最大の関心事であるからだ。とはいえ、そういった状況の中できらりと光るのはブイキューブのV-CUBE Box。同社は昨年10月にテレビ会議端末市場へ新規参入を果たした。Web会議サービスでは市場No.1の実績を長年持つ同社としては満を持しての発売だった。 

V-CUBE BoxとPolycom HDX8000の検証環境

2月某日の午後、筆者は、ブイキューブ本社の会議室にて1時間ほどの検証作業(写真)を行った。検証には、同社の担当者の立ち合いのもと、ポリコム製フルHD対応HDX8000テレビ会議端末を使用して、操作・接続・品質の観点から、(1)V-CUBE BoxからHDX8000を呼び出す、(2)HDX8000から「V-CUBE Box会議室」に入る、(3)V-CUBE BoxとHDX8000との間での資料共有を行う、の以上3点について確認を行った。

検証には同じ被写体にした方が比較しやすいため、そのための環境としては、52インチのディスプレイを2台並べて用意し、それらのディスプレイの間に両端末のカメラのアングルを筆者の方向に向けて設置。一方のディスプレイにはV-CUBE Boxから送信されネットワークを経由してHDX8000で受信した映像が、もう一方にはHDX8000から送信されV-CUBE Boxで受信した映像が、表示される形にセットアップした。

 

DSC_5598_2_8.jpg

V-CUBE BoxとPolycom HDX8000の検証作業の様子

 

検証1:V-CUBE BoxからHDX8000を呼び出す

検証1では、V-CUBE BoxからHDX8000をコールし正常に接続するかを確認した。

ここの操作はV-CUBE Box端末で行う。リモコンにある「メニュー」ボタンを押下すると、ディスプレイ画面の下の方に「参加者情報」や「会議情報」などいくつかのメニューが横並びで現れた。その中で「テレビ会議呼出」(他社製テレビ会議端末と接続する際に使うメニュー項目のひとつ)をリモコンの方向キーと「決定」ボタンで選択。

 

そうすると今度は「H.323」か「SIP」もしくは「履歴」から選べる「テレビ会議を呼び出す方式」の画面が出てきた。今回はすでに「履歴」に保存されているHDX8000(IPアドレスが表示されている)を選んでコールする形だ。

 

ここまでの操作はシンプルなメニュー画面から選んでいくだけなので特段難しい操作はない。コール発信が開始したかと思うと両端末は瞬時に接続が完了し、双方から送信された映像(会議室内の風景とその中にいる橋本が映っている)が2台のディスプレイにそれぞれ表示された。

 

 映像は鮮明で問題はないと感じた。念のため、両端末にある通話情報/会議情報(通話中の接続ステイタス)を見ると、解像度720pで接続、パケットロスはほとんどなくスムーズにつながった状態を示している。ただ、それぞれの端末が持つカメラの特性からか若干色味に違いがあるが、それは実際にテレビ会議を行う際にはさほど気になるものではないだろう。また、被写体(筆者もしくはブイキューブの担当者)の手を振るなどの動きのある映像が入ると、ブロックノイズまでは行かないがディスプレイ画面上に若干遅延が発生しているのが見受けられた。

 

しかし、これはある意味、テレビ会議端末の特性とも言えるため想定範囲内だろう。人が着席して動きが少ない部屋/会議室で利用する場合であれば、映像に関しては十分な品質が出ていると評価できる。

 

DSC_5585_3.jpg

V-CUBE Boxの履歴からHDX8000をコール

 

DSC_5587_4.jpg

H.323/SIP/履歴から選択

 

DSC_5590_5.jpg

V-CUBE BoxとHDX8000がお互いに接続完了

 

 

記事の続き(後編)はこちら

 

V-CUBE-Box-Interoperability-report