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HUB GUJO(ハブ グジョウ)」は、岐阜県郡上市にあるサテライトオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースとしての機能を兼ね備えた拠点です。ICT(情報通信技術)を活用して若者が働きやすい環境を整えることで、働き盛りである若者の都市部への流出という問題の解決を目指すために発足したNPO法人「HUB GUJO」が開設しました。そんな「HUB GUJO」を、ブイキューブを含む5社がサテライトオフィスとして利用しています。

 

そのうちの1社が有限会社スローです。今回は、同社が「HUB GUJO」へ入居するに至った経緯やテレワークの課題について、代表取締役である小澤陽祐氏に伺いました。

「オーガニック」「フェアトレード」「自社焙煎」がコンセプトのコーヒーブランド

2000年に創業した有限会社スローでは、「オーガニック」「フェアトレード」「自社焙煎」という3つのコンセプトを掲げた自社ブランド「SlowCoffee」を展開し、コーヒーの製造や販売を行っているメーカーです。2017年7月に創立17周年を迎えた同社は、全国の百貨店や、高品質な商品を扱うスーパー、食材にこだわる飲食店など、全国約400の取引先に珈琲を販売しています。

岐阜県郡上市へと移住した代表の小澤氏

同社は、千葉県松戸市を本拠地としています。しかし、代表取締役である小澤氏が暮らしているのは岐阜県郡上市…

 

小澤氏は、郡上市への移住を決めた理由を「子どもが育つ環境、そして自分が暮らす環境として適していると感じたため」と説明します。小澤氏の奥様が郡上市のご出身ということもあり、これまでに何度も当地を訪れる機会があったことから、そのなかで自然あふれる街並みに魅力を感じたということです。

 

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郡上八幡の水を使った、水出しコーヒープロジェクトを推進する小澤氏

徐々に滞在期間を延ばして事業の継続性を検証

しかし、前述の通り小澤氏は同社の代表取締役を務めています。そのため、移住後にも問題なく事業を継続するために念入りな準備を重ねられたそうです。

 

小澤氏が移住を検討し始めたのは、2012年頃のこと。その後、2013年に移住を決断し、まずは2015年の4月に奥様を含むご家族だけが郡上市にある奥様のご実家に転居する形で郡上市に移住。そして、小澤氏はこれまで通り千葉県松戸市を拠点として仕事をしつつ、3日~4日という短期滞在でテレワークを開始しました。そして、徐々に滞在期間を延ばして問題なく事業を継続できるかどうかを検証したそうです。

 

そして、2016年の夏に郡上市の新居が完成し、テレワークによって業務を遂行する地盤も固まってきていたため小澤氏自身も郡上市に移住しました。

 

そんな矢先、「HUB GUJO」の開設を知り入居することを決めた小澤氏。いったいどのような理由から、「HUB GUJO」への入居を決断したのでしょうか?

どうして、「HUB GUJO」に入居したのか?

当初は自宅を仕事場とする予定でいた小澤氏ですが、「複数の異業種が入居していること」「テレワーク環境が整っていること」の2点に魅力を感じて「HUB GUJO」への入居を決めたそうです。

 

・入居の決め手1 複数の異業種が入居していること

ブイキューブをはじめ、複数の異業種が入居しているため、入居企業と協業して何か面白いことができると感じたとのこと。実際、「HUB GUJO」で行われたアイデアソンイベント「HACK GUJO」を契機に同社では後述する「郡上発!水出しコーヒープロジェクト」に取り組んでいます。 

 

・入居の決め手2 テレワーク環境が整っていること

「インターネット環境が整っており、ブイキューブ製品をはじめとしたテレビ会議、Web会議を利用できたため、松戸市にいる社員ともしっかりとコミュニケーションをとりながら仕事できる」と感じたそうです。 

「郡上発!水出しコーヒープロジェクト」とは?

水の街として知られる郡上市。特に、郡上市八幡町(郡上八幡)は、国土交通省の認定する「水の郷百選」に選ばれており、当地の湧水である「宗祇水」は環境省の選定する名水百選に第1号として選ばれています。

 

郡上発!水出しコーヒープロジェクト」は、そんな郡上市の名水と、有限会社スローの人気商品である「水出しコーヒー」パックを、プロジェクト専用タンブラーに入れて、おいしいアイスコーヒーを作って、まちを巡って、楽しんでいただこうという思いが込められています。

 

そして、このプロジェクトは「HUB GUJO」で開催されたアイデアソン「HACK GUJO(ハック グジョウ)」をきっかけに誕生しました。

 

郡上の「水」文化を伝え、守る仕組みを一緒につくりませんか?“郡上発!水出しコーヒープロジェクト”

 

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「メーカーでもテレワークを実践できる!」という確かな手応え

郡上市への移住を決断する以前、小澤氏の身近にはすでにテレワークを実践している企業があったそうです。

 

「その企業は、ウェブ制作系の企業でした。いわゆるICTに近しい業種で、テレワークを実践しやすい業種と言えるでしょう。しかし、自分たちはメーカーです。そういった意味で、メーカーであってもテレワークを実践できるのかという不安はありました」と小澤氏は当時を振り返ります。

 

一方で、実際にテレワーカーとして「HUB GUJO」を仕事場としている現状を踏まえつつ、「メーカーであってもテレワークを実践できるという手応えを感じています」と小澤氏は続けます。松戸市にいる社員とのコミュニケーション手段としては、「V-CUBE ミーティング」を活用しているそうです。また、今後は社外のステークホルダーとのコミュニケーションにおいても、V-CUBE ミーティングやV-CUBE セミナーを活用する可能性を探っていきたいとのこと。

 

加えて、テレワークを実践すると、「対面によるコミュニケーションの頻度はどうしても減ってしまう」とした上で、「だからこそ、対面によるコミュニケーションの密度を濃くすることが重要になります」とそのポイントを教えてくれました。

「人口減少」「過疎」といった社会問題の解消にもつながるテレワーク

2011年3月11日に発生した東日本大震災。東北はもちろん、首都圏においても、多くの企業で事業継続性に著しい影響が出ました。

 

この震災を契機に、小澤氏は「自社の商圏が首都圏に集中していては、もし、また同じような災害が発生した時に事業を継続できない」と感じたそうです。そのため、同社では震災後に関西や中部などにも本格的に販路を拡大しています。

 

これは、商圏の拡大という視点だけはなく、自社の人的リソースの分散という意味でも事業継続性を保つための有効な対策となりそうです。万が一、首都圏での事業継続が困難となった場合であっても、地方にも人員を配置していれば事業を継続できる可能性が高まるからです。そのような意味で、事業継続性を高めるという側面からもテレワークを導入する価値はあると言えるでしょう。

 

さらに、社会全体でみれば、テレワークによって地方で働く人が増えれば地方都市が抱える人口減少や過疎といった問題も解消されるでしょう。

 

この点について、小澤氏は「テレワークやリモートワークという言葉だけが先行するのではなく、実際にチャレンジする企業が増えることで地方都市の抱える問題を解消できるはずです」と期待を寄せています。

今後の展望

「郡上発!水出しコーヒープロジェクト」について、小澤氏は「今年はプレ段階」だと説明します。

 

「現在、水を注ぐだけで水出しコーヒーを簡単に作ることができるタンブラーと、郡上八幡で美味しい水を汲むことができる『水汲みマップ』の制作を進めています。

 

しかし、こうした取り組みは我々だけでは実現できません。今回のプロジェクトでは、郡上八幡の各地で地元の方々によって管理されてきた水を使わせていただきたいと思っています。そのため、地域の方々に、我々がどのような人間あるいは会社で、何をしようとしているのかを丁寧にご説明し、ご理解いただくことが欠かせないのです」(小澤氏)

 

さらに、小澤氏は「郡上市での川や山の保全といったことも含めて、いろいろな方々と協力して進めていきたい」と語っています。さらに「メーカーであっても多様な働き方を実践できるということを、もっと世の中に広めていきたい」という展望も持っているそうです。

 

同社を創業した頃は、オーガニックやフェアトレードが付加価値として認められておらず、そのようなことを売りにしてもビジネスとして成立しないという見方をする方が大半だったとか。しかし、今では付加価値として認められつつあることはご存知のとおりです。

 

「テレワークも同じです。『メーカーでは、テレワークを実践することは難しい』このような問いに対して、我々自身が身をもって、メーカーにおいてもテレワークを実践できることを示していきたいですね」(小澤氏)

 

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